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手術の流れ

術前検査  …血液検査、X線検査など・・ 麻酔の安全性と動物の状態を知る

動物の術前の状態や基礎疾患の有無、麻酔をかけても大丈夫かを診る、とても大事な検査です。
●血液検査
<血液検査は、動物を安全に手術する為に当院では必須となっています。>
1.CBC(血液そのものの検査)
2.生化学検査(臓器の障害の程度や機能の検査)
    ※状態、年齢により項目数が異なります。
●X線検査
主に呼吸・心臓の検査
●超音波検査
●その他
  検査結果の異常によっては手術を中止または延期する場合があります。

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術前処置  …鎮痛薬、循環器確保など・・ 麻酔薬の副作用を抑える

手術前に、循環器確保や、鎮痛剤・麻酔の副作用を抑えるお薬の投与などを行い、麻酔の準備に入ります。
1.循環器確保

静脈ラインを確保し、緊急対応に備えます。
手術中の点滴や輸血、緊急薬もここから入れます。

2.鎮痛剤の投与

痛み止めです。痛みの種類によって様々なお薬があります。

3.前投与薬を注射します。

前投与薬は、麻酔の副作用を抑えたり、麻酔の効果をスムーズにするといったお薬で、
様々なお薬があります。それらを動物の状態に合わせて様々に組合わせて行ないます。

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導入麻酔  …動物の不動化・・  麻酔をかけてもほんとに大丈夫?

100%安全な麻酔薬はこの世に存在しません。
1.導入麻酔(注射麻酔
麻酔の試運転です。

導入麻酔は、拮抗薬(麻酔を打ち消すお薬)や、ゆっくり入れることにより、
後戻りが出来ます。
導入麻酔の間に呼吸不全や心不全が起こらないか、その他異常が無いかを観察します。
異常があれば中止する場合があります。
お薬によって心・血管系に影響を与えたり、呼吸に影響を与えたり様々なので、
動物の状態や年齢に応じて使用する薬剤を変えています。

2.気管挿管

気道確保・・  呼吸の安全性を確保気道確保・・  呼吸の安全性を確保

3.本麻酔(吸入麻酔)

動物にとって最も安全といわれる麻酔薬を使用しています。

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手 術

1.手術は、気管チューブを挿管し、呼吸管理をしながら安全に行ないます。
2.手術は、点滴または輸血で循環器管理をし、尿モニターを行ないながら安全に行います。
3.手術中は、手術モニターで、心拍数・呼吸数・血圧・麻酔深度・血液中酸素濃度などを
  計測しながら安全に行ないます。
4.これらは、全ての手術で行ないます。


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術後処置

… 術部の保護など

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覚 醒

…無事に麻酔からさめました。


◆手術中の様子

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手術の術式(避妊手術)女の子

子宮吊り出し術
(卵巣・子宮両摘出)

<特徴>
1.子宮と卵巣をお腹から出して摘出を行なう為、他の臓器を傷つける心配が無い。
2.傷が小さい為、侵襲(痛みや体に与える影響)が少なく、術後の経過が良い。
3.傷が小さい為、技術的に難しい。

4.体内に残す糸は全て消えてなくなる安全な糸を使用。
5.傷の大きさは犬で1~2cm、猫で0.5~1cm。
※傷の大きさは、妊娠子宮・異常子宮・異常卵巣・発情子宮・子宮靭帯伸展異常の場合は大きくなります。




※腹腔内イラストは、
「メディカルサイエンス社Surgeon30避妊・去勢手術」より

手術の術式(去勢手術)男の子

<特徴>
1.1つの傷から2つの精巣を摘出する。
2.尿道や腹膜を傷つけない。
3.猫の手術では、糸を使わない。
4.猫の傷は医療用のホッチキスで止める。